１．橋の清掃作業

保存会は、その後建設省東京国道工事事務所の協力を得て、橋の清掃補修を４３年９月までに終了し、翌４４年定期総会を開催、事業計画として

1. 前年に引き続き橋の清掃補修を実施する。
2. 高速道路側面（両側）に「日本橋」の文字を表示する。（公団に折衝）
3. 日本橋の橋上における交通事故防止並びに道路元標の所在を明確にするため橋上を明るくする。（国に折衝）
4. 高速道路通行車輌からも「日本橋」が認識できる表示をする。（公団に折衝）

を決定し、同年９月１９日から２３日までの間、橋の清掃補修を実施した。

2．日本橋・京橋通り整備事業

昭和４４年９月中央区長より日本橋・京橋通り幹線道路整備問題が提起された。 その内容は、都電撤去を契機として、その御影石を活用し日本橋・京橋通りを銀座通り同様、地下に共同溝を設置し、電柱等は全てこれに納め、地上は街路灯のみとし、歩道は御影石舗装とするものであり、平板舗装と御影石舗装の差は地元負担とのことであった。

保存会、中央・室町両大通会及び関係連合町会は、折田区長をまじえ協議した結果全員その実現を希望するとの結論に達し、早急に準備にかかることになった。 保存会は昭和４５年度の定期総会において「日本橋・京橋通りの整備促進に協力」を決定、以後はこの道路整備促進の中心団体として行動するようになり、他の団体と連携をとるため、同年５月９日、日本橋・京橋通り整備促進会準備委員会（代表松田伊佐雄三越社長）を開催し、まず促進会の趣意書及び会則、発起人名簿作成等協議し、同年１２月１５日には佐藤秀一建設省東京国道工事事務局長おり道路改修工事についての詳細な説明を受け、準備委員の総意として、銀座通り同様全ての道路要件を具備した格調高い幹線道路の実現を希望した。 年が明けて、４６年１月、建設省より前述の御影石舗装に伴う地元負担金は一億円と示されそれを受け、準備会は直ちに第一回の発起人会を開き、促進会の会則決定役員の選任を行いここに「日本橋・京橋通り準備促進会」が正式に発足した。 負担金の工面もつき、４６年４月８日起工式が行われ工事が開始された。 ４７年６月７日竣工式に併せて、橋上中央にあった「東京市道元標」が北詰に移設され、新たに橋中央に現在の「日本国道路元標」（佐藤栄作総理揮毫）が設置され、除幕式が西村英一建設大臣、中央区長らの臨席のもとに盛大に挙行された。 その後、４７年９月道路整備完成を記念して、毎年１０月に行われる「中央区観光商業まつり」の協賛行事として、日本橋室町四丁目から京橋に至る２.７キロにわたって盛大に「日本橋・京橋まつりパレード」を実施することにしした。

3．記念行事の実施

保存会は、発足以来橋の清掃や環境美化努めてきましたが、さらに昭和５８年１０月の保存会総会で、将来必要であろう高速道路の大規模な改修工事等を視野に置き、「よみがえれ日本橋」を決議し、「日本橋」の上を通る首都高速道路を、地下に移設する等の方法により、「日本橋」をよみがえらせる運動を開始し、「日本橋」の現状を一人でも多くの人に知ってもらい、広く理解と賛同を得るために様々な記念行事を実施しました。
昭和６３年　架橋７７周年記念行事を実施 （１９８８年）準備開始は昭和６１年秋から７７周年記念行事実施協議会の手によって進められ、この時から地域が一体となって活性化に取り組む機運が高まった。
平成３年　架橋８０周年記念行事を実施 （１９９１年）この時に、架橋７７周年記念シンポジウムで提案された橋詰広場の景観整備が行われ、「滝の広場」「花の広場」「乙姫広場」「元標の広場」の４広場が完成した。
平成１１年　架橋８８周年記念行事を実施 （１９９９年）この年、長年の誘致運動が実を結び第７５回東京箱根間往復大学駅伝復路１０区が変更になり、初めて「日本橋」を渡った。又、「日本橋」及び「東京市道路元標」が国の重要文化財の指定を受けた。
平成１５年　江戸開府４００年・日本橋創架４００年記念行事を実施
（２００３年）３月３０日（日）名橋「日本橋」が初めて架けられてより４００年を祝い、扇国土交通大臣・石原東京都知事を始め、ニューヨーク市警や警視庁音楽隊、１３０年ぶりに里帰りした山車・地元の神輿等４０００人が参加、沿道を埋めた約１２万人の見物客の見守るなか、「日本橋」創架４００年記念パレードが盛大に行われた。